ATカーニーの選考について
皆さま、新年あけましておめでとうございます。ユウキです。
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正月は・・・やることがないですね(笑)
これから年明け早々面接を受けていかれる方もいらっしゃると思いますので、戦略コンサルの面接対策について、なるべく記事を更新していきます。
さて、今回は、BIG3に次ぐ知名度を誇り、個人的にはトップティアファームと呼んでもよいのではないかと思う、ATカーニーについてです。
昨年は、アマゾンプライムビデオのバチェラージャパンの初代バチェラーとしてATカーニー出身の方が出演されていて、港区女子界隈でも話題になっていたそうです(笑)
ATカーニーの特徴
ATカーニーは、シカゴを本拠地とする戦略コンサルティングファームです。私も後で知ったのですが、マッキンゼーとは元々同じ会社で、途中で分かれたようですね。
ちなみに、ATカーニーの表記って、正確にはA.T.カーニーらしいです。
・社風は、非常にフラットで、自由な雰囲気。
→転職活動を通して様々な会社を見ましたが、一番自由でフラットな雰囲気を感じたのはATカーニーでした。実際、コンサルタントをやりながら大学で教鞭をとられる方がいたり、パートナーの梅澤さんがクールジャパンに関わっていたり、新しいことが好きな雰囲気。
・人柄が非常に良い人が多い。
→これは私もそう感じたし、周囲で面接を受けた人も、エージェントも、皆言ってましたが、なぜですかね。常駐案件が多いからでしょうか。
・『目に見える成果(Tangible Results)』を顧客に提供することを理念に掲げており、クライアントファーストの意識が強い人が多い。
・マッキンゼーほどではないが、できる人はプロモーションが早い。
・優秀な人が多い。
・会社として若手に任せるという姿勢が強く、よって若手の頃から客先でプレゼンを任されたり、大きな経験を積める。
・最近グローバルで人事評価基準が統一されたらしく、Up or Outはベインほどではないがかなり厳しい。
・英語力が業務上必要だが、マッキンゼーのように英語面接はない。(後述の通りテストはある)
ATカーニーの選考の流れ
・Webテスト、英語テスト
Webテストと一緒に、英語のコミュニケーション能力テストがあります。
・面接:ケース・インタビューとビヘイビア・インタビューです。
※詳細は後述。
ATカーニーのケース面接について
概要
ATカーニーの面接は、1回の面接で、1人がケース面接を行い、1人がビヘイビア・インタビュー(志望動機などを聞かれる通常の面接)を行うスタイルです。
※ビヘイビア・インタビューについては後述。
ATカーニーのケース面接は、BCGと同じ、『本質議論系』です。
※本質議論系とフレームワーク系の違いはこちらをご覧ください。
お題は一般的なものが多く、フェルミ推定→売上向上施策というオーソドックスな流れで、時間もベインのように厳しくはなく5分以上はもらえます。ただし、面接官のツッコミは結構厳しめで、「なぜなのか?」と論点の深堀をされ、施策についても現実的な打ち手を求められます。
ちなみに有名なお題としては、以下のようなものがあります。
・駅の中にある床屋の年間売上を推定→売上を2倍にする方法
・ミスターミニット(よく地下鉄とかにある、靴の修理屋さんです)の年間売上を推定→売上を2倍にする方法
・ネイルの市場規模推定→市場規模を上げるには?
ATカーニーのケース面接通過のためのポイント
・いきなり設問を解かずに、まずは前提条件を考え、それを明示する。
→面接官は、プレゼンというよりもむしろディスカッションできるか?を見ています。その上で、ケースのお題自体は曖昧なことが多いので、前提をきちんとおき、それを明示するようにしてください。(前提を示さなければ面接官もディスカッションができません。)
ホワイトボードに前提を書いてしまっても良いと思います。
ちなみに、私の言う前提とは、例えば上記の床屋の設問で、単価というファクターを考える際に、床屋の売上を構成しているものって具体的に何があるのか?=どんなサービスを現在提供しているのか?、どんな人がどんな目的で来店しているのか?(例えば、シャンプー代は込みなのかどうかで単価が変わる)ということが単価を置く際に重要だと私は思うので、そのあたりを自分がどのように考えたのか、明示します。
・当然ではあるが、フェルミ推定は、その後の売上向上施策に活かせるよう、 意味のある分解をする。
・売上を拡大させるために解決すべき課題は何なのか、深く考えて回答する。(=なぜ?を繰り返して本質的な課題を見つける)
→少し上にも書きましたが、例えば、今来ている人たちはなぜもっと頻繁に来ないのか?、なぜもっとお金を使ってくれないのか?、今来ていない人はなぜ来ないのか?、となぜを繰り返し、このお店が現在抱えている課題は何なのかを考えます。
・その上で、打ち手の実効性についても考える。
・面接官の指摘を受けたら、一旦その指摘を受け入れて、異なる視点で考えてみる。
→これは、カーニーに限ったことではないのですが、面接官が、こちらのプレゼンに対して指摘してくる場合、そのほとんどは「それ違うでしょ」という心の声の表れです。論破しようとするのではなく、まずは向こうの指摘を冷静に受け止め、議論の方向転換ができる柔軟性があることをアピールした方が得策です。
ATカーニーのケース面接では、以上の通り、物事を「深く」考えられているか、見られています。市販のケース対策本のような浅い回答で満足せず、考え抜いて回答を出すようにすべきで、そのためにはとにかく自分の頭を使って考える訓練をするしかないです。
これは、BCGも同じです。(マッキンゼーの場合は、フレーワーク系と本質議論系のミックスのような感じで、実は深さも必要です。)
※カーニーが本質議論系であることを端的に示す文章がホームページに載っていましたので、以下に引用します。
~ATカーニーHPより~
『当社は、創立者のアンドリュー・トーマス(トム)・カーニーが確立した指針と「コンサルタントとしての成功は、提言の“本質的な正しさ”、およびそれが有効であると自信をもって説得できる能力にかかっている」との信念に、したがっています。』
ATカーニーのビヘイビア・インタビューについて
ATカーニーでは、ビヘイビア・インタビュー(=志望動機や経験などを聞かれる通常の面接)をケース面接とは別に行っており、選考通過のためには対策が欠かせないと思いますので、あえてお話します。
ケース面接とビヘイビア・インタビューの採点比率はわからないのですが、ケースと同じだけの時間を使って行っていますので、恐らく4割ぐらいはあるのではないでしょうか?エージェント曰く、ケースの面接官とビヘイビアの面接官が二人とも合格でなければ次に進めないということだったので、いずれにせよ非常に重要です。
ビヘイビア・インタビューを実際に受けて個人的に感じた、面接官が見ている点は、
・社風に合うか?
→自由闊達な企業風土のためか、普通の雇われサラリーマンというよりもむしろ、会社を使ってこんなことがしたいとか、独自の価値観を持っている人が多いです。
・(ケースでも見られますが)地頭はどうか?
→頭の使い方は結局のところケース面接と同じで、質問内容に対して深い回答を求められている気がします。
・コミュニケーションはきちんと取れるか?(=客前に出せるか?)
ということだと思います。
面接自体はリラックスした雰囲気なのですが、質問は色々な角度から飛んできます。
特に、以下の質問については予め考えておいた上で、自分でも深堀しておくと良いと思います。
・現職では何をやってきたか?→コンサルタントになった時に活かせる現職の経験は何か?
・なぜ今転職するのか?
・(志望動機に対して)本当にコンサルでなければできないことか?
・現職での最も困難だったことは何か?→それをどのように乗り越えたか?→何を学んだか?
・現職のビジネス課題は何か?→どのように解決するか?
・最近気になるニュースは何か?
→大抵ビジネス関連のニュースについて話すと思いますが、この質問から更に深堀され、今の日本企業の課題とかに繋がっていきます。
今回の推薦図書
カーニーに限らず、コンサルファーム各社、書籍を出版しているので、面接前には最低でも1冊は読んでおくべきだと思うのですが、以下はケース面接でも役に立つ内容だったので、おすすめです。
・『最強のシナリオプランニング: 変化に対する感度と柔軟性を高める「未来の可視化」』/梅澤高明著(ATカーニー日本法人会長)
先述のATカーニー日本法人会長の梅澤さんの著作です。梅澤さんは、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」にも出演されていますし、知っている方も多いと思います。カーニーを受験するならば、必読の1冊です。
・『最強の営業戦略』/栗谷仁著(ATカーニーパートナー)
最後まで読む必要は無いのですが、最初の数章は読んでおいて損はないと思います。
特に、どのように顧客のセグメンテーションをするか、そしてどのように戦略を立てるかという点については、そのままケース面接でも、ビヘイビア・インタビューでも使えます。
上述の通り、ビヘイビア・インタビューで、現職だったり、日本企業全体の課題についても聞かれるのですが、大きくみると日本企業の課題ってどこも結構似ているんです。そのあたりがこの本を通して読み取れると、深い回答ができそうな気がします。
新年最初の更新だったので、少し気合いが入ってしまいました(笑)
それでは、また次回。